校内研修
平成22年度 研修主題

1 主題設定の理由
 本校では、平成19年度より、「自立や社会参加に向けて主体的に取り組もうとする児童生徒の育成」を研修主題に掲げ、取り組んできた。平成21年度からは4カ年計画で、新教育課程を編成していくこととなった。これは、平成21年に学習指導要領が改訂されたことや、現行の教育課程で作成された年間指導計画が実施されて年数が経過し、教育内容や時数等の見直し・改善が必要な時期であると考えたからである。
 4カ年計画の1年目にあたる21年度は、生活単元学習の年間指導計画を学年ブロックごとに作成した。各単元のねらいについては、「主体的な取組」、「人とのかかわり」、「技能態度・生活体験」の3観点で表記し、1年間の系統性を考慮したねらいの設定や単元の配列、内容の検討が行われた。共通の書式・観点で年間指導計画を作成できたことは、今後、単元の配列や系統性などを工夫・改善していくための土台となるものができたと考えている。
 4カ年計画の2年目にあたる今年度は、音楽、体育の年間指導計画を作成すると共に、21年度に作成した生活単元学習の年間指導計画の見直しを行うこととした。当初の計画では、22年度は音楽、体育、図工・美術の年間指導計画を作成するとしていた。しかし、21年度に作成した生活単元学習の年間指導計画について、他の領域や教科との関連を図ることや小中9年間の一貫した系統性を持たせることなどについて、見直していくことが必要であること、職員の多くが生活単元学習について詳しく研修したいという考えを持っていること、などの理由から、昨年度に引き続き、生活単元学習を主題研修に位置づけることとなった。それに伴って、図工・美術の年間指導計画作成は、23年度以降に行うこととした。
教育課程は、本校として、どのような児童生徒を育てようとするのか、そのためにどのような教育を行おうとするのかなど、教育活動についての基本的な考え方の下に編成されるものである。また、本校の教育課程編成のねらいや見通し、年間指導計画の教育課程上の位置づけなどについて、全職員が共通理解を持つ必要がある。
 本校の目指す児童生徒像は、生活能力を身に付け、健康で心身ともにたくましく生き、誰とでも仲良くできる児童生徒であり、これによって自立や社会参加を身に付けて欲しいと考えている。そして、これらの力を身に付けるためには、何事にも主体的に取り組もうとする態度が必要である。
 研修主題でも取り上げている「自立」「社会参加」「主体的」について、本校では以下のように押さえている。
「自立」とは、支援を受けながら今持てる力を発揮したり、自分で決めて主体的に取り組んだりしようとすること。
「社会参加」とは自分を取り巻く家庭や学校、地域社会で必要な支援を受けながら、その一員として受け入れられ、参加していくこと。
「主体的」とは、意欲や興味・関心を持って取り組んだり、見通しをもって取り組んだり、自分からやりたいことを選んで取り組んだりすること。
 本校教員全員が、本校の目指す児童生徒像を念頭に置き、自立や社会参加に向けて主体的に取り組もうとする児童生徒の育成を目指した教育課程の編成に、取り組んでいきたいと考える。
なお、伊勢崎式教育力向上「徹底」構想2010との関連については、市の3つの重点のうち、「新学習指導要領による教育内容への全面的な移行」、「連携方式による小中9年間の一貫した教育活動の推進」に沿うものであり、学力パワーアッププランの基礎学力作りにおける、「指導体制の充実」や「きめ細かな見取り」等を、取り入れていけるものと考えている。

2 研修のねらい(研修目標)
 本校教員全員が、学習指導要領改訂の趣旨を理解し、本校の学校教育目標に向け、本校児童生徒の実態を踏まえ、本校児童生徒が主体的に取り組もうとする授業を行うための、新教育課程(今年度は音楽、体育、生活単元学習)の編成を行う。

3 研修の見通し(研修仮説)
 教育課程の編成においては、音楽、体育、生活単元学習の各部会において、児童生徒が主体的に取り組もうとする姿を引き出す、という視点で、それぞれの年間指導計画を作成し、さらにこれを、他の教科や領域との関連と、小中9年間での系統性をもたせる、という視点で修正を行う。これによって、児童生徒が主体的に取り組もうとする授業作りに活かすことのできる新教育課程が編成できると考える。

4 研修組織




※経営訪問、要請訪問、研修紀要等の準備検討の際には、学部主任、教務副主任が、推進委員会に加わる。


5 研修の具体的な内容
(1) 主題研修について
@ 個別の指導計画、個別の教育支援計画に基づき児童生徒の重点目標の整理を行う。
  児童生徒の情報を家庭からの要望、検査、関係機関との連絡、観察などにより収集し、
 長期短期の目標を設定する。
A 音楽、体育、生活単元学習については、各部会で年間指導計画を作成する。
  児童生徒が主体的に取り組もうとする姿を引き出すという視点と、小中9年間での系統
 性をもたせるという視点で、各部会において年間指導計画の1次案を作成する。
B 年間指導計画の1次案に基づいて指導実践を行い、計画内容の検討・修正を行う。
  年間指導計画の1次案に基づいて、単元の指導計画を作成・実践し、計画内容が児童生
 徒の主体的な姿を引き出す内容になっているか、年間指導計画の内容、配当時間、配列、
 系統性、他教科との関連等は適切であるかなどについて検討し、修正する。
(2) 主題外研修について
@ 転入者に対する研修
  本年度の転入者に対して、特別支援教育や校内研修テーマについて、研修を行う。
A 特別支援教育の専門性を高める研修
  外部講師の講演会や実技研修(全体)、校内講師の実技研修(任意参加型)等を行う。
B その他の研修
 人権教育研修、施設視察研修(本校児童生徒が関わる関連施設へ見学)等を行う。

自立や社会参加に向けて主体的に取り組もうとする児童生徒の育成
―新教育課程の編成を通して―
                              
伊勢崎市立伊勢崎養護学校